マンションの管理について問題が発生すると、どこへ相談すればいいのでしょう。
問題の多くは、区分所有者の誰かが、問題を抱え悩み、ほかの居住者へ打ち明けることから始まります。
管理会社がマンションの管理をするものだと思っているようでは、管理の問題は解決できません。管理組合が自分たちで問題を解決しようとしなければ、騒音問題にしても、ペット問題にしても、解決しません。
管理についての問題を抱えると、管理会社の責任にしがちですが、管理組合が管理についてあまりにも無知であることが、原因になっているとも考えられます。つまり、管理会社まかせにしている管理組合にも問題があるということを自覚しないといけません。
しかし、多くのマンション購入者は、立地条件や間取り、設備についての関心は高いものの、マンション管理がどういうシステムになっているかを知る機会もなく、別段重要なことだと思っていない傾向にあります。
もっとマンション管理について知るべきですし、勉強すべきなのです。マンションでは管理に関心をもたずして、資産価値を維持することもできませんし、快適なマンション生活を続けていくことはできないのです。
「マンションの管理は、管理会社にまかせているから安心だ」と思っている方も少なくないと思います。マンションの管理は、各戸のオーナー(区分所有者)で結成する管理組合が管理することが基本になります。
とはいっても、実際に管理組合で管理できるかといえば、新築分譲マンションでは無理でしょう。そこで新しい分譲マンションでは管理組合に代わって、すべてを指定の管理会社に管理委託することに決まっています。こういう場合の管理会社は、デベロッパーの系列会社がほとんどです。物件購入のときに、管理委託契約も承諾しなければならない状況ですから、たとえ不満があってもマンションを購入することを優先して、とりあえずは印鑑を押さざるを得ないということになります。
そもそも、購入時点で管理会社が決まっているというのは、管理会社の自由競争がなくなり、本当の意味で区分所有者のためになっているとは考えられません。
モデルルームで説明してくれる営業マンは、たいてい「管理のほうは、専門の○○管理会社がいたしますので、何ひとつ心配いりません」というような営業トークをするのが常ですし、名前の知られた大手建設会社が建てたマンションならば、なおさら信頼をおくのが普通でしょう。
管理会社というのは、いわば家政婦さんのようなものです。マンションのことをいろいろ管理してもらうので、管理組合が給料にあたる管理委託料を支払ってお願いしているわけです。
家政婦さんの場合なら、全財産を預けた銀行通帳と印鑑をまるごと預けてしまうようなことはまずないでしょう。同じように、管理組合の財産は他人まかせではなく、自分たちで守るのが基本なのです。