何かを始めるとき、国又は地方自治体といった行政の許認可を得ることが必要な場合があります。
許認可とは、一体どのような制度なのでしょうか。
人間である以上、誰もが、もともと自由に自分の権利を行使できることが保障されています。このことは、憲法上も明らかにされています。
しかし、誰もがしたいことを何でも自由に行ってしまうと、必ず、他人の自由と衝突します。非衛生的な食品を自由に販売すると、他人の健康を害してしまいます。また、もともと個人の自由に委ねられたものでなくても、それが勝手に行われてしまうと、社会全体の秩序を破壊することがあります。
たとえば、個々人が誰でも自由に学校事業を展開できるとなると、全国的に求められる学力水準に到達できないといった教育上の問題が生じてしまう可能性があります。
個人が自由に事業を行うことから生じるこのような問題を防止するために、行政が監視や調整を行う必要があり、そのために設けられている制度が許認可の制度です。
許認可については、法律で規定されています。各種の法律ごとに規制対象となる業種が定義され、その開業に必要な許認可が定められています。
多くの場合、許認可を得ないままその業種を営業すると刑事上の罰である懲役・罰金や行政上の罰である過料に処せられてしまいます。つまり、罰則によって許認可手続きをするように促されているわけです。