エレベーターの昇降システムの代表的なものは、以下の2種類です。
〇ロープ式
〇油圧昇降式
ロープ式
ロープ式は、古くからある代表的な方法で、かごと、釣合い重りが、メインロープによってバランスを取っている方式です。
メインロープは最上部にある巻上機の滑車に掛かっていて、この滑車を回転することで、かごを上下させます。
ロープの巻上機は、エレベーター・シャフトのエレベーター機械室内に設置されており、機械室は、通常、屋上にあります。
油圧昇降式
油圧昇降式は、建築物の高さ制限などによって、屋上にエレベーター機械室を設置できない、あるいは設計上、屋上にスペースがとれないなどといった場合に、1階以下にエレベーター・シャフトに隣接してエレベーター機械室を造り、かごを、ロープではなく油の圧力で上下させているものです。
その他の方式
上記2種類の方式以外に、最新の方式として、ロープ式機械室レスシステムがあります。これは、技術革新により可能となった、エレベーター機械室が不要なシステムです。巻上機やリレースイッチの小型化により、エレベーター・シャフトの一番下に巻上機を設置することができるようになりました。
このシステムによって、油圧昇降式の存在意義が薄れたため、生産中止とした大手メーカーもあります。
そのため、同メーカーのリニューアル工事は、ロープ式機械室レスシステムにシステム全体を変更することになり、通常よりも数段高い費用を要します。