マンションのエレベーターがどのような防災機能を備えているのか、主だったものは以下のとおりです。
遠隔通話装置
エレベーターののインターホンは、通常、もう一方の受話器が管理室などに設置されていて、お互いに通話できるようになっています。管理員が不在の時には、外部のセンターなどと通話できるシステムもありますが、全てのエレベーターがそのようなシステムとなっているわけではありません。
電話回線を使ってエレベーターメンテナンス会社と直接通話できるような装置を「遠隔通話装置」といいます。
この装置は、リモート点検が可能な機種には標準装備されていますが、それ以外では、装備されていないもののほうが多いです。
新たに設置するには、相当額の工事費が必要となる場合もありますが、地震などで「閉じ込め事故」が発生すると、乗客はパニックに陥りやすいので、この装置の必要性はかなり高いといえます。
停電時自動着床装置
停電時自動着床装置は、エレベーターにバッテリーを備えており、停電時でも最寄階まで自動運転するものです。ただし、エレベーターによっては、後から増設できないものもあります。
P波感知器付地震時管制運転装置
地震時管制運転装置については、古いものではS波感知器がついており、これは本震の揺れが来てから止まるというものですが、それでは、エレベーター内に閉じ込められてしまいます。
P波感知器付地震時管制運転装置とは、地震速報のように初期微動を感知した時点で、本震の揺れが来る前に最寄り階に止まって扉が開くという装置です。
戸開走行保護装置
戸開走行保護装置は、エレベーター扉が開いているときは、動かないようにダブルブレーキとしたものです。既存エレベーターにおいては、改修の際の設置努力となっていますが、後からつけるとなると費用がかなり高額です。
ユニバーサルデザイン
ユニバーサルデザインとは、一般的に高齢者や子供または障害者などが、快適に利用できる製品や機能などのことをいいます。
本格的に高齢社会を迎えている現在、注目を集めています。
エレベーターのユニバーサルデザイン化としては、子供や車椅子の利用者にも手が届く位置にボタンを設置する、手すりを設置する、ドアが開いている時間に余裕を持たせるなど、人にやさしい機能を搭載することです。